日和田製麺所 – foodexgroup Just another WordPress site Tue, 06 Jun 2023 02:07:28 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.7.1 地域と作り上げた絆を広げていくために /column/hiwada_20230516/ Tue, 16 May 2023 07:17:43 +0000 /?post_type=column&p=978

東日本大震災をきっかけに地域コミュニティの一部として、週末には多くのお客様が集う日和田製麺所本店。昭和の食堂を思わせる店内は、子供から大人まで老若男女の笑顔が溢れている。

「おいしいラーメンをお腹いっぱい食べてほしい」というブランドアイデンティティーを愚直に貫きつづけるためのこだわり、喜びについて店長の斎藤さんに訊いた。

笑顔で溢れる集いの場

日和田製麺所本店の店内はラーメン屋としては少し珍しく、主にテーブル席で構成されています。一人で来店されるお客様より、家族連れや団体で来られるお客様が多いことを考慮しており、正月など親戚含め家族全員が集まる時は、10名以上でご来店されることもあるのが、この店舗ならではの特徴です。

また、折りたたみ式の赤いテーブルは昔ながらの食堂を彷彿させ、今でも地域住民の拠り所の1つとなっています。「おいしいラーメンをお腹いっぱい食べてほしい」という想いは当初から変わらないコンセプトの1つでもあるので、ラーメンを注文したお客様にはライスと高菜漬けを無料で提供しているのも1つのこだわりです。

ラーメンに限らず、全てのメニューで共通して意識していることは「鮮度」です。関東の店舗の多くはセントラルキッチンを活用することで効率よく鮮度を保って料理を提供することができますが、日和田製麺所では全てを自分の店舗で調理しなければいけません。

スープは一から圧力寸胴で作り、唐揚げやトッピングなどのサイドメニューもできる限りできたてでご提供する。こうして鮮度を徹底的に意識し、安心安全の料理を提供することでお客様からの信頼を獲得することができたと思います。

地域と乗り越えた大震災

2011年3月11日。歴史にも名を残した大地震、東日本大震災が起きました。日和田製麺所のある福島では、震災による津波の被害も大きく、さらには原発事故による放射能の影響で、復興までかなり時間を要していました。

そんな中、どうにかお客様に希望や笑顔を与えられないかと営業を続けようとしましたが、ガソリンの供給が途絶えてしまい、2週間ほどの休業を余儀なくされていました。

福島というだけで放射能の懸念をされる現状を目の前に、「再開してもお客さんが入らないのではないか」と焦りと不安でいっぱいでした。しかし、いざお店に戻ってみるとお客様からの留守番電話が何本も寄せられていたのです。

「再開はいつになるんですか?」
「早くラーメンが食べたいです」

お客様ももちろん不安だったと思いますが、こうした声に背中を押され、吹っ切れたような気持ちで営業を再開することができました。自分含めてスタッフの人たちも働けること自体に喜びを感じていて、みんな不安な中でも同じく前を向けたというのがやり続けられた大きな理由だったと思います。

また、元から地域の方との交流は多い店舗だと思いますが、この経験でより一層地域との絆が強く結ばれた気がします。今では震災前よりお客様の数も確実に増えているので、不幸な出来事であったことは変わりないですが、お店としても個人としてもいい経験になったとも感じています。

対等な仲間として

接客でいつも心がけているのは「常に楽しむ」ということです。お客様と一緒にお店を作り上げるという意味でもコミュニケーションはとても大切にしています。コミュニケーションを意識してから、教育に対しての考え方も変わり、教える、教えられる立場という関係性ではなく、仲間として助け合うような感覚でスタッフさんと関わるようになりました。

新人教育に関してもこの考え方は一貫しており、マニュアルを用意して指導するというスタイルではなく、一緒に寄り添いながら教えるようにしています。こうして、覚えるのが早い人やコミュニケーションが得意な人など、それぞれの個性を見極めています。

その結果、人の入れ替わりが激しいイメージのある飲食業界ですが、辞める人はほとんどいないのがこの店舗の誇りです。

アルバイトから社員になってくれているスタッフさんもいて、そういう人たちは自分の想い、ひいてはブランドとしての想いをしっかり受け継いでくれていると感じています。

地域とともに歩む

店舗として、まずは日和田製麺所をもう1店舗展開することが目標です。その目標を達成するために、個人的には人材育成に力を入れていきたいと考えています。

店舗展開をするには新しい店長、新しいスタッフといった人材が必要になってきますが、都心と少し離れた地域柄もあり、なかなか人が集まらないのが課題です。こうしてブランドの想いを発信することで、少しでも共感をもった仲間が増えれば心強いと思っています。

震災という、どん底から乗り越えて来れたのは間違いなくお客様を含め関わってくれた全ての人のおかげです。地域と作り上げたこの絆の輪をもっともっと広げていけるよう、これからも毎日おいしいラーメンを提供し続けていきます。

福の軒

日和田製麺所

住所
福島県郡山市日和田町字前田75-1
営業時間
10:30~20:30
電話番号
024-968-1040
アクセス
日和田駅 徒歩15分
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